再生治療
日本の再生医療
日本は世界で初めて再生医療を法制化した国であり、日本で提供される全ての再生医療は、日本の厚生労働省の厳格な規制と監査を通過したものです。また、日本はノーベル医学賞を受賞したiPS細胞の発生国として、高度な技術力・ノウハウ、活発な学術コミュニティを有していることは大きな強みであります。
幹細胞治療
再⽣医療とは、わたしたちの細胞が持つ再⽣⼒を活⽤して、傷ついた組織や失われた機能を元通りに戻すことを⽬的とした医療技術です。また、これまで治療が難しかったケガや病気の治療法へと応⽤できるよう現在も研究や開発がすすめられています。
再⽣医療の分野において重要な役割を持つのが幹細胞です。
幹細胞の2つの能力
幹細胞には大きく2つの役割(能力)があります。
1つは、皮膚や血液など、体を構成するさまざまな細胞を作り出す能力「分化能力」、もう一つは、自分とまったく同じ能力を持った細胞を複製(分身)する能力で「自己複製能力」と呼ばれています。

損傷部を見つけ出し自動的に修復・再生
幹細胞は、細胞を新しく生み出すことで、病気やけがで失われた細胞を補い、損傷部を修復・再生することができます。体のいたるところに幹細胞は存在していますが、傷ついた組織(部位)からシグナルが発生し、幹細胞がそれを受信することで血液の流れに乗って傷ついた部位に集まり、損傷部の修復・再生を行っています。
この傷ついた部位に集まろうとする性質は「ホーミング(自動追尾)効果」と呼ばれ、幹細胞は再生が必要な部位を自動的に見つけ出すことができます。

幹細胞治療の効果が
期待される疾患
- 肝機能障害
(肝硬変・劇症肝炎、肝硬変後後遺症) - 糖尿病
- 腎疾患
(慢性腎臓病) - 脳⾎管障害
(脳卒中・脳梗塞後遺症)
アルツハイマー型認知症
パーキンソン病 - 関節の痛み
(変形性膝関節障害・
股関節の痛み・肩の痛み)
半⽉板損傷 - 循環器の疾患
虚⾎性⼼疾患による不整脈
⼼不全・⼼筋梗塞後後遺症・狭⼼症 - ⾻・神経等
⾻粗しょう症・脊髄損傷・末梢神経障害 - 肌・⽑髪
肌再⽣・肌の⽼化防⽌
アレルギー性⽪膚炎・⽑髪再⽣ - がん免疫治療
- 視⼒回復
- 男性機能回復(ED)
- 更年期障害
- スポーツ外傷
(スポーツ外傷による
機能障害や関節の痛み)
加齢とともに減少する幹細胞
幹細胞の数は、加齢に伴い減少することが分かっており、産まれたての新生児の幹細胞数を100%とすると50代には2.5%にまで少なくなってしまいます。80代では、新生児の0.5%~0.14%にまで減少してしまいます。古くなった細胞が老化細胞として体内に残ることで、臓器の機能低下を引き起こすことに繋がります。

治療の流れ
簡単な問診票にご記入いただき、当施設医師が、幹細胞治療について詳しくご説明いたします。
問診票とお待ちいただいた健診結果などの資料をもとに、現在の健康状態やこれまでに受けられた治療などをお伺いいたします。
ご希望やご要望をしっかりお伺いした後、治療をご提案いたします。
事前検査:
全身状態をするための採血(約20cc)を行います。一般的な血液検査項目のほか、感染症の有無もお調べいたします。
脂肪採取・採血:
幹細胞を培養するために必要な脂肪と血液を採取します。「へそ」付近に局所麻酔を行い、米粒2~3個程度の脂肪を採取します。シワに沿って約5mmの切開をおこなうため、傷はほとんど目立ちません。培養に必要な採血量はお身体の状態によって変動しますが、50cc~100ccが目安となります。所要時間はおよそ20分です。
採取した脂肪を、培養加工施設に輸送し、幹細胞の培養を行ないます。培養は無菌状態で厳格な品質管理のもと、培養状況や幹細胞の状態を確認しながら、細心の注意を払って行われています。期間はおよそ4週間程度です。
事前に確定した投与日に、当施設までお越しいただきます。ご予約のお時間に最適なご状態で幹細胞をご提供できるように準備いたします。投与は腕の血管より点滴を行ないます。所要時間はおよそ1時間~1時間30分です。
治療からおよそ1カ月後に採血検査等を行い、結果をもとに改善状況について当施設医師より詳しくご説明いたします。