ミトコンドリア活性因子である
5-デアザフラビン(TND1128)による
マウスの脳切片への効果
-β-NMNとの比較-
論文
Effects of TND1128 (a 5-deazaflavin derivative),with self-redox ability,as a mitochondria activator on the mouse brain slice andits comparison with b-NMN
著者
工藤佳久(東京医科大学 八王子医療センター 麻酔科) ,高橋奈々恵(医学博士 東京医科大学八王子医療センター 総合診療部)
NMNとデアザフラビンの作用の比較
NAD+促進物質としてすでにNAD+の生合成を促進することが報告されている。βNMNとNAD+促進物質として合成されたデアザフラビンの作用を比較した。マウス脳スライス標本を使い、脱分極刺激に暴露した場合に引き起こされる、細胞質内及びミトコンドリア内のCa2+の濃度の変動に対する抑制効果を比較評価した。投与後24時間後にSir-1遺伝子が優位に上昇するとのデータを基に24時間後に効力判定実験を行った。その結果、βNMN及びデアザフラビンいずれも細胞質内Ca濃度及びミトコンドリア内のCa濃度制御作用を示すが、デアザフラビンの方がその有効濃度から100倍強力であった。




図1,2及び図5,6で示したように、βNMN及びデアザフラビンの細胞質内及びミトコンドリア内の作用を見ると、きわめて安定した生理学的反応を維持できることが示され、これがヒトの脳で再現できれば、強力な脳保護作用を期待することができる。デアザフラビンは疎水性が高くきわめて安定な化合物であるため今後応用が考えられる。
Deazaflavin は、ATP産生を賦活化して
マウス脳の培養海馬細胞の発育を促進する
海馬神経細胞軸索(Axon)の免疫染色画像
培養4日目に、tau抗体にて軸索を免疫染色した。
左はControl(対照群)、右は培養1日目にDeazaflavin(1 μM)を 1回のみ添加した検体処置神経細胞を示す。
海馬神経細胞樹状突起(Dendrite)の免疫染色画像
培養4日目に、MAP2抗体にて樹状突起を免疫染色した。
左はControl(対照群)、培養1日目にDeazaflavin(1 μM)を 1回のみ添加した神経細胞を示す。
オータプス標本におけるシナプスの免疫染色画像
左はControl(対照群)、右は培養1日目にDeazaflavin(1 μM) を1回のみ添加し培養14日目に、VGLUT1抗体にて興奮性シナプス を免疫染色した神経細胞を示す。

実際の論文
先端分野で培った特許技術を活用し、
真の顧客ニーズにこたえる創造的な研究開発を行っていきます。